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専門看護師とその年収(給料)
医療技術は年々進歩しています。5年前、10年前には発見されていなかったような病気やその治療法が確立されたり、一部の病院でしか行えなかった治療が広く行われるようになったり、医療機器メーカーや製薬会社の活躍により、先端医療を多くの病院で受けられるようになったり。
その中で、医療に従事する人間は数が足りないだけでなく、専門的な知識をどんどん問われるようになります。今まではひとつだった分野が、研究過程で2つ3つに分かれていくというのはよくある話。医師だけでなく、看護師も細分化・専門化されてくるようになりました。
そこで、看護師により高度な技術・知識を求めたり、看護職そのものの専門性を高めたりといったニーズが増えています。専門化した例では保健師や助産師も国家資格として認められていますね。さらに近年では、「専門看護師」「認定看護師」という資格への注目が集まってきています。
専門看護師とは?
専門看護師とは、日本看護協会が定める専門看護師認定審査を通過した人に与えられる、看護師の職の名称です。専門看護師は、実践・相談・調整・倫理調整・教育・研究の6つの役割を果たすことが目的とされています。
1.実践:個人、家族及び集団に対して卓越した看護を実践する。
2.相談:看護職を含むケア提供者に対しコンサルテーションを行う。
3.調整:必要なケアが円滑に行われるために、保健医療福祉に携わる人々の間のコーディネーションを行う。
4.倫理調整:個人、家族及び集団の権利を守るために、倫理的な問題や葛藤の解決をはかる。
5.教育:看護職に対しケアを向上させるため教育的役割を果たす。
6.研究:専門知識及び技術の向上並びに開発をはかるために実践の場における研究活動を行う。
また、その専門看護分野として、
がん看護
精神看護
地域看護
老人看護
小児看護
母性看護
慢性疾患看護
急性・重症患者看護
感染症看護
家族支援
の10の分野が定められています。社会問題となりがちな地域・老人の看護や、小児・母性の看護、生活習慣病だけでなく健康増進や療養指導まで含めた慢性疾患看護、より高い専門性が求められるがんや精神看護、近年ニュースで取り上げられることも多くなってきた院内感染防止対策を含む感染看護などがあります。また患者さんだけでなく療養を支える家族のケアに重点を置いた家族支援、どれも医療の現場で特に重視されていくべき分野と言えます。そして今後はもっと細分化され増えていくであろうとも言われています。
専門看護師になるためには
1.まず、看護系の大学院(大学ではなく、大学院)を卒業していなければなりません。また、定められている単位を取得している必要があります。
2.看護学以外の関連領域の大学院等を修了した場合は、看護系大学大学院修士課程において必要単位 をさらに取得しなければなりません。
3.看護師か保健師、助産師のいずれかの免許を持って、看護の現場での実務が5年以上なくてはいけません。この5年は断続的なものでもいいようですが、そのうち3年間は専門看護の分野で経験を積まなくてはなりません。いいかえれば高い専門性があると認められている医療機関での経験が必要ということになります。その上、特定分野の経験のうち、1年以上は専門看護師に必要な所定の教育修了後の実務経験が必要です。
これらの前提を経て、さらに認定審査があります。書類審査の1次審査と、面接・口頭審査の2次審査です。
このように、学歴も職務経験も問われる専門看護師ですが、高度化する医療の現場では看護師が医師と同等の専門性を身につけて力を発揮することが求められていることがわかります。とてもやりがいがりますね。でも、せっかく時間も費用もかけて取得した資格ですから、やはりお給料が気になる・・・というのは当然のところかもしれません。
専門看護師の年収、給料のホントのところ
専門看護師は通常よりも給与がいいの?と聞かれれば、もちろん多くなることが多いでしょう。しかし、給与の面だけで考えると、厳しい面があるというのが事実です。
大きな違いがないことが多い
そもそも、通常の病棟看護師と専門看護師のお給料の差は、実はあまり大きくないことが多いのが事実です。大学院卒業に加えて実務経験が5年以上、さらに審査にかかる期間などを考えると、30歳~35歳ぐらいで専門看護師になる方が多いようですが、病棟看護師を続けていれば、既にその年齢ではそれなりのお給料がもらえていることが多いという事情があります。
このため、専門看護師になったからといって、同年代の看護師さんよりも月収で5万円も10万円も高いということはあまりないようです。
もっとも、大学病院など一部の病院では高く評価されることもあるようで、職場をきちんと選ぶことでそれなりの評価を受け、お給料をいただくこともできるようです。
大学院を出るまでにお金がかかる
当然ですが、大学院を卒業するまでに2年間、学費や生活費がかかります。大学卒、専門学校卒で正看護師として仕事をしている人と比べ、当然この期間の収入は雲泥の差があります。この差を取り戻すには何年働かなければならないのでしょうか。
夜勤をさせてもらえない?
「看護師のお給料は夜勤してナンボ」と言う看護師さんも多く、実際に夜勤の有無で月収は軽く3~5万円ほど変わってきます。最近では夜勤専門でやっている看護師さんもいるぐらいです。
ところが、専門看護師は日勤に固定されることが多いため、夜勤という働き方ができないことも多いのです。ここで月収が大きく変わって来てしまうのは否めない事実です。
このように、お給料の面から考えてしまうと、専門看護師を選ぶのは少し違うかもしれません。ただ、冒頭でお話ししたように、高度化する医療の現場では非常に意義のある働き方になりますし、ここに生きがい・やりがいを感じられるのであればそれでいいという考え方もあるでしょう。毎年の合格者数がとても少ないことをみても、ただ資格をとっておきたいというのではなく、高い志と信念がなければ難しいと言えるでしょう。




